Cloudflare Workersを使って、無料・10分でLPを制作してみた

ホームページ制作のハードルは、ここ数年で大きく下がりました。

以前はHTMLやCSSの知識がなければ難しかった実装も、現在は生成AIに自然言語で要望を伝えるだけで、ある程度の品質まで形にできます。

一方で、AI搭載のホームページ作成サービスにも制約があります。無料プランではデザインの細かな調整が難しかったり、AIによる生成回数や公開機能が制限されていたりすることも少なくありません。

そこで今回は、次の条件を満たすサービスを探しました。

  • 無料で公開できる
  • 短時間で制作できる
  • 公開後の更新にも費用がかかりにくい
  • デザインや機能の制限が比較的少ない
  • 長期的に運用しやすい

その結果、行き着いたのが「Cloudflare Workers」です。

Cloudflare Workersとは

Cloudflareのネットワーク上でWebサイトの公開やサーバー側プログラムの実行ができるサービスです。

完成したファイルを管理画面からドラッグ&ドロップする方法のほか、GitHubやGitLabと連携して更新内容を自動的に公開する方法にも対応しています。公式ドキュメント

公開すると無料の「workers.dev」ドメインが発行されるため、独自ドメインを用意しなくても、すぐにWebサイトを公開できます。

静的なHTMLファイルを公開するだけであれば、サーバーを別途契約・管理する必要はありません。静的ファイルへのリクエストは、無料プラン・有料プランともに無料かつ無制限です。

つまり、シンプルなホームページやLPであれば、制作後のサーバー代も含めて無料で運用できます。

ただし、Cloudflare Workers自体に、文章やデザインを作成する機能があるわけではありません。公開するためのHTMLや画像は、自分で用意する必要があります。 今回は生成AIにサイトの目的やデザインを伝えてHTMLを作成し、そのファイルをCloudflare Workersへアップロードする方法を試しました。

WordPress・Gamma・Cloudflare Workersの比較

ホームページを作成する方法として、代表的なWordPress、生成AIで簡単にサイトを作成できるGammaと比較しました。 ここでのWordPressは、WordPress.comではなく、レンタルサーバーなどへインストールして利用する一般的なWordPressを想定しています。

項目 Cloudflare Workers WordPress Gamma
サーバー代 静的サイトなら無料 原則としてレンタルサーバー代が必要 無料プランでもホスティング込み
無料URL workers.devを利用可能 サーバー側の条件による gamma.siteを利用可能
独自ドメイン ドメイン取得費は別途必要。接続自体は無料プランでも可能 ドメイン取得費が別途必要 独自ドメイン接続はProプラン以上
公開後の更新 HTMLを再アップロードすれば無料で対応可能 管理画面から更新可能。ただしサーバー代は継続 編集画面から更新可能
デザインの自由度 HTML・CSSを編集できれば高い テーマやプラグインによる。コードでの調整も可能 操作は簡単だが、細かな調整には制限がある
制作の難易度 HTMLの知識、または生成AIが必要 初期設定やWordPressの操作知識が必要 自然言語で作りやすい
機能追加 JavaScript等による処理や、必要に応じて外部サービスとの連携が必要 プラグインで追加しやすい 用意された機能の範囲が中心
保守 静的サイトなら比較的少ない 本体・テーマ・プラグインの更新が必要 システム保守はGamma側が担当

WordPressは、ブログを頻繁に更新するサイトや、多くの機能を追加したい場合に向いています。ソフトウェア自体は無料で、テーマやプラグインによる高い拡張性がありますが、通常はサーバー代やドメイン代が発生します。WordPress公式サイト

Gammaは、専門知識がなくても短時間で見栄えのよいサイトを作りやすい点が魅力です。無料のgamma.siteドメインで公開できますが、独自ドメインの接続はProプラン以上です。また、公式情報ではブログやEC機能には対応していません。Gamma公式ヘルプ

Cloudflare Workersは、Gammaほど制作が自動化されているわけではなく、WordPressのような更新用の管理画面もありません。 その代わり、HTMLを自由に編集でき、静的なホームページであればサーバー代をかけずに運用できます。生成AIでHTMLを作成できる現在では、この「制作機能を持たない」という弱点も、以前より小さくなっています。

実際に10分で作ってみた

では実際に作り始めます。今回は、「料理人が渋谷で交流会を開催する際のイベント告知のページ」の例でLPを作成します。

・Cloudflareアカウント作成

まだアカウントを持っていない場合、アカウントを作成します。$0のFREEプランの「利用開始」よりアカウントを作成しました。

※なお、以下の画面には「Pages」と表示されていますが、Cloudflare PagesとWorkersはもともと別のサービスです。現在はPagesの機能がWorkersへ取り込まれつつあり、Cloudflareも新規プロジェクトはWorkersから始めることを推奨しています。Pagesも引き続きサポートされますが、今回のサイトはWorkersを使って公開しています。Cloudflare公式

・資材作成

生成AIで作成したいWebサイトのイメージを伝え、アップロードするHTML・写真等の資材を予め作成します。もちろん予め準備した資材でも構いません。

・method選択

「upload your static files」を選択し、予め準備したファイルをアップロードします。

・完了

Webサイト作成が完了しました。アカウント作成の時間を除き、プロンプト入力~資材作成~デプロイ・公開あまで10分足らずで完了しました。生成AI感も少なく、このままイベントの案内に使えそうです。

https://flat-lake-117d.sohei-ohmura.workers.dev

Cloudflare Workersを利用する際の制約

Cloudflare Workersは便利ですが、完全に制約がないわけではありません。

独自ドメインの取得費用は別途必要

Cloudflare Workersが発行する「workers.dev」のURLは無料で利用できます。

一方、「example.com」のような独自ドメインを使用する場合は、ドメインを別途取得する必要があります。Cloudflare Workersへの接続は無料プランでも可能ですが、ドメイン自体の取得・更新費用は発生します。

更新に関する制限がある

GitHubなどと連携してサイトを自動公開する場合、Cloudflare Workersの無料プランでは、ビルド時間が月3,000分までです。一般的な企業ホームページやLPであれば十分な範囲ですが、無制限ではありません。Cloudflare Workersの制限

静的ファイルのアップロードには上限があり、無料プランでは1つのWorkerバージョンにつき20,000ファイル、1ファイルあたり25MiBまでです。Cloudflare Workersの制限

HTMLは別途用意する必要がある

Cloudflare Workersは、HTMLを作成するサービスではなく、完成したファイルを公開するためのサービスです。

そのため、自分でHTMLやCSSを書くか、生成AIなどを使って作成する必要があります。公開後に文章や画像を変更するときも、基本的にはHTMLを修正して再度アップロードします。

動的な機能には追加対応が必要

会社紹介やサービス紹介など、閲覧を中心とした静的サイトには適しています。 一方、お問い合わせフォーム、会員機能、予約、決済、データベース連携などを実装する場合は、Workersによるサーバー側処理や、必要に応じて外部サービス、D1などのデータベースを組み合わせる必要があります。

まとめ

Cloudflare Workersは、誰でも画面上の操作だけでホームページを作れるサービスではありません。

しかし、生成AIを使ってHTMLを用意できるのであれば、無料かつ短時間で、比較的自由度の高いホームページを公開できます。

特に、次のような用途には相性がよいと感じました。

  • 会社やサービスを紹介するシンプルなホームページ
  • 広告やキャンペーン用のLP
  • イベントの告知ページ
  • 試験的に公開するWebサイト
  • 更新頻度がそれほど高くないサイト

「まずは費用をかけずに公開してみたい」「無料ツールのデザイン制限は避けたい」という場合、Cloudflare Workersは有力な選択肢の一つです。 ※記載内容および各サービスの仕様は、2026年8月時点の情報です。